生前事務委任契約

任意後見や法定後見は、判断能力が衰えて初めてスタートしますが、判断能力が衰える前に、心身機能の低下にそなえ、財産管理などを依頼したい場合に利用する制度が生前事務委任契約です。

例えば、毎月水道光熱費の請求書などが郵便で届きます。何が大切で何が大切でないか、高齢になるにつれ考えるのも煩わしくなると思います。煩わしいものの、支払いは日常生活上欠かすことができません。その定期的な支払いを依頼することができます。また、病院や介護施設への入院手続き、市役所への介護認定の申請や介護サービスの利用などの手続きを依頼することができます。

見守り契約は、本人の状況確認や信頼関係の構築、任意後見の効力申し立てのタイミングを見極めることが目的ですが、生前事務委任契約書は任意後見の効力発生前から代理人に自分の財産を管理してもらったり、契約を代理してもらうためのものです。

生前事務委任契約はとても使い勝手の良いシステムですが、第三者によるチェック機能が原則ありません。その為、契約の相手方は本当に信頼できる方を選びましょう。また、ご本人が元気なうちは、ご自身で受任者の業務をしっかりチェックすることが必要です。

生前事務委任契約書は、遺言書や任意後見契約書と一緒に公正証書で作成することをお勧めします。

マロン法務事務所

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