私の住んでいる長岡市は、もともとあった広い農地を地主さんが宅地に造成して、宅地として売却しているケースが多く、土地を購入し住み始めた人々により、その地区は小さな住宅街になっています。私の自宅も同様、もともとは耕作者が不在の畑でした。
その造成宅地地区の中には、もとの地主さん名義の土地の上に、お子さんが自己名義で家を建てて住んでいることもあります。お子さんとしては親の土地を使えれば土地の取得費用が節安できて、とても助かります。しかしこの場合、親御さんの相続対策は、重要になります。
地主さんである父(被相続人)が亡くなった場合を考えてみます。お母さんはすでに亡くなっていて、相続人は長男と長女の2人の場合です。父の財産は長男の家が存在する土地(3000万円)と、現金(1000万円)です。長男長女の法定相続分は二分の一づつですので、本来ならば2000万円づつですが、相続財産の現金は1000万円しかありません。長男が1000万円の現金を持っていて、長女に支払えれば良いのですが、支払えなければ土地を含めて遺産分割協議をすることになります。土地が長女との共有になったり、土地を売却しなければいけないこともあります。
このようなトラブルを避けるため、被相続人は生前に公正証書遺言にて、長男に3000万円、長女に1000万円を相続させる、という遺言をのこしておくべきと言えるでしょう。
地主さんの相続財産が現金1000万円というのは少ないと思いますが、親名義の土地に家を建てる場合のあくまでも事例として、ご理解ください。