法定相続分を超える相続

2019年に改正された民法により、法定相続分を超える相続をした場合の対抗要件に関する規定が改正されました。相続をする人にとっては、厳しい改正になりました。遺産承継の第三者対抗要件のルールは、改正前の民法には規定されておらず、判例によって示されているのみでした。

改正前民法の判例では、特定の遺産を特定の相続人に相続させる遺言がある場合、対抗要件を要せずに、被相続人の死亡の時に遺産承継の効果が生じるとされていました。相続人や受遺者の権利を優先して保護していたことになります。

2019年の改正民法では、法定相続分の範囲内では対抗要件は不要ということで以前と同じですが、法定相続分を超える部分については対抗要件を備える必要があるとされました。相続人等から権利を譲り受ける第三者を考慮し、取引の安全を優先させた改正になったと言えると思います。

不動産の対抗要件は登記(民法177条)です。
動産の対抗要件は引き渡し(民法178条)です。
できるだけ早く対抗要件を備えて、権利を守ることが大切になります。

マロン法務事務所

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